第2章 海外処女作はいかにして生まれたのか 〜十数年じっくり、地元で写真素材を撮る(その2)〜

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ツヨシ

ある有名な家系に生まれるものの、一家離散を契機にアート制作に没頭。 受賞歴ありの障がい者アーティスト。

では、まずは1枚目から順に、今日は前から数えて6枚まで一枚づつ紹介していきましょう。映像のほうでは手描き風のエフェクトがかかっていますが、実際にはこういうはっきりした感じの写真がもとになっています。

 

1枚目

「Clarity」

「明瞭さ」を表すタイトル。2020年、某植物園内の湖にて、橋の途中からiPhone8のバックカメラでとっさに撮影。中央に見える白い虹のようなものは実際に存在していたものではなく、カメラに強い光が差し込んだためにできたフリッカーなのですよね。でも、これは写真の味になりそうだということで残す方向で編集しました。

 

2枚目

「木洩れ日」

推定、2010年ごろ(?)ソニーのサイバーショットで撮影。某植物園がオープンしてまもない頃の桜並木。オープンから20年経った今と違って、木々がまだ若々しい。植物も風景も「歳をとる」ので、新鮮な風景を撮るなら、昔の方が良いのです。でも、過去にさかのぼることはできないのです。

 

3枚目

「最初に見た景色」

推定2005年ごろ、厳寒の真冬に撮影。よく見ると雪が降っています。日本固有の伝統文化にまつわる館なので、ジャパンメイドの作品ということを強く打ち出す意味合いで映像に採用。トラウマティックなできごとをまだ引きずっている頃だったので、そういう悲しい風合いが写真に滲み出ている。

 

4枚目

「白い蝶は白い花が好き」

おそらく2008年ごろ、ソニーのサイバーショットで花壇にて撮影。マクロに近い状況まで近寄って撮っている。のべ1時間ほどかけて「風景に溶け込んで風景になりきり」、完全に蝶に「無害さをアピール」した上で、シャッターをきった。いきなり近づくと、当然逃げられてしまうので、この特殊な技(?)を応用して展示会における「小さな偉人」なども撮っている。メインビジュアルとしてポスターにも採用。

 

5枚目

「アンティーク」

推定2010年ごろ、ラン温室にて撮影。骨董品や調度品といった「アンティークっぽさ」をランで表現しようとしたもの。ビンテージとも言う。女性で例えるならば、少女ではなくお姉さんというか、、あっ失礼いたしました。。

 

6枚目

「佇まい」

推定2007年冬ごろ、某国体跡地の池で撮影。たった一羽で寒そうにたたずむ小鳥と、それを撮る写真家。周囲にはまったく誰もおらず、寒すぎてほぼ貸切状態だった。みんなが撮る桜や紅葉といったどうでもいい風景に背を向け、自身の切実なる本心に沿ったものを探して撮る。作家性というものはそうして表現されるべきだろうと思います。

 

…余談になりますが、極度の人間不信だったゆえに植物園通いになり撮り続けていた、「おそらく完全なる無駄にして無意味、つまり20代における”黒歴史”」だと思っていた植物などの風景写真が、30も後半になってからこういう形で海外入選だの会社のブログマガジンのネタだのになるとは思ってもみませんでした。いわゆる「人生無駄なことはない」を地で行っている感じです。こんなにありがたいことはない。というわけで、NSDCはよき会社であります(さりげなくアピール)。

 

次回は映像後半を飾る6枚を一緒にみていきましょう。よろしくお願い申し上げます。m(_ _)m

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