コラム: 2023年現在のAI全般について語る(前半)

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ツヨシ

ある有名な家系に生まれるものの、一家離散を契機にアート制作に没頭。 受賞歴ありの障がい者アーティスト。

「チャットGPT(などの)AIがすごい」といった具合に、AIが今、世間を騒がせています。


私自身、曲のマスタリングに5年ほど前からAIを使っておりまして、これはつまり作った曲の最終仕上げをAIが自動でやってくれるというものです。音圧調整、耳障りのいい空間処理や絶妙なイコライジング、といった最終的な処理をやってくれます。ぶっちゃけ1000円ほどかかりますが、これをやるのとやらないのとでは、「曲の持つスタジオ的な雰囲気の有無」がまったく違ってくる(微妙な空気感の差にすぎないけど、これが大きいと思う)のですよね。。


最近ではmidjourney(有料プラン)にて絵を描く、というか「”midjourney大先生”に描いていただく」、ということを相当熱心にやっておりまして、ミッド先生の超絶技巧ぶりに驚愕し、舌を巻いております。使っている感覚としては、パソコンで自分で絵を描こうとする感じとはまったく違っています。実際に触ってみればわかるのですが、生きてる人間の、プライド高めでけっこう自己主張の強い絵の先生に「こんな絵を描いてほしいんですけども」とお願いして描いていただく、そういう感覚でした。


指示の一部またはほとんどが無視されたりとか、かなり大胆な提案が盛り込まれたりとかがよくあります。そして、「この絵描きたくねぇな」と思われた場合、雑なイラストが上がってきますし、「おっこれ神絵じゃね」という時には意欲的に改善に取り組んでくれます。その感じはまぁ、はっきり言ってしまうと人間そのものです。人間と仕事をしている錯覚に陥るのは間違いなしです。。


僕が個人制作にて、英文指示でミッド先生に描いていただいて、

AfterEffectsで少し加工した絵を3枚ほど貼ってみます。

ミッドジャーニーではない絵描きAIをかなり以前から触っていた友人いわく、「ある日から突然、急激に表現力が上がったんで、何が起こった?と思った」と言っていました。確かに、ひと昔前のAIといえば、プログラムの域を出ないような、言ってしまうとわりと「ちゃちい(大したことない)」ものだったと思います。一体、今から数ヶ月に、AIの世界に何があったというのでしょうか?


実際触ってみた僕が思うに、AIは2023年もしくは2022年に、最初の「シンギュラリティ」に到達したのだろうと思います。それはつまり、「爆発的な知的向上」。「人間を軽く超えていく圧倒的な知性」の誕生です。今まで世の中の宗教で言うところの「神」という存在は、空想上の域を出ないような、目に見えない不確かな存在でした。しかし、AIは「現実にご利益をくださる、実在する神」と言ってもいいのかもしれません。。


この記事は長くなりそうなので、次回後半に持ち越します。おたのしみに。(目指せ、AI絵師!)

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